ここ数年の間にすごい勢いで普及してきた格安SIM。現在ではサービスを提供している会社も増え、利用する側としても、どう選んだら良いか迷うこともあるのではないでしょうか?
そこで今回は自身の体験談も含め、楽天モバイルとイオンモバイルについて比較してみたいと思います。
もくじ
月額料金はどちらがお得?
格安SIMを利用・検討されている方が重要視しているポイントのひとつとして外せないのがやはり、月々の利用料金かと思います。そこで、まずはそこから比較してみました。
楽天モバイル
組み合わせプラン(月額基本料金)
ベーシックプラン | 3.1GB プラン | 5GB プラン | 10GBプラン | 20GBプラン | 30GBプラン | |
通話SIM | 1250円 | 1600円 | 2150円 | 2960円 | 4750円 | 6150円 |
050データSIM(SMSあり) | 645円 | 1020円 | 1570円 | 2380円 | 4170円 | 5520円 |
データSIM(SMSなし) | 525円 | 900円 | 1450円 | 2260円 | 4050円 | 5450円 |
スーパーホーダイプラン(月額基本料金)
通常料金 | 楽天会員料金 | 楽天ダイヤモンド会員 | |
プランS(容量2GB) | 2980円 | 1980円(2年目~2890円) | 1480円(2年目~2980円) |
プランM(容量6GB) | 3980円 | 2980円(2年目~3980円) | 2480円(2年目~3980円) |
プランL(容量12GB) | 5980円 | 4980円(2年目~5980円) | 4480円(2年目~5980円) |
イオンモバイル
音声通話プラン(月額基本料金)
0.5GBプラン | 1GBプラン | 2GBプラン | 4GBプラン | 6GBプラン | 8GBプラン |
1130円 | 1280円 | 1380円 | 1580円 | 1980円 | 2680円 |
12GBプラン | 20GBプラン | 30GBプラン | 40GBプラン | 50GBプラン | |
3280円 | 4680円 | 6080円 | 7980円 | 10800円 |
データ通信プラン(月額基本料金)
1GBプラン | 2GBプラン | 4GBプラン | 6GBプラン | 8GBプラン |
480円 | 780円 | 980円 | 1480円 | 1980円 |
12GBプラン | 20GBプラン | 30GBプラン | 40GBプラン | 50GBプラン |
2680円 | 3980円 | 5380円 | 7480円 | 10300円 |
まとめ
上記の表を見て頂ければ分かるように、音声通話プラン・データプラン共にイオンモバイルのほうが種類が豊富ですね。因みにイオンモバイルのデータ通信プランはSMSなしとの料金となっており、月額140円プラスすれば利用することができます。
GB数が同じではない為、正確に比較するのは難しいですが、若干イオンモバイルのほうがお得な料金設定となっています。ですが、楽天モバイルのスーパーホーダイプランには楽天電話アプリを利用すると5分以内の通話がかけ放題(5分以降も30秒10円で通話可能)というものが用意されていますので、通話頻度の高い方はそれを上手に使うことで月々の料金を抑えられるかと思います。
さらに月々の料金を抑えたいという方にオススメなのが、楽天モバイルには050データSIMというのがあり、音声通話契約をしていなくても、Viber経由で通話が出来るプランがあります。
Viber経由というのは電話番号が050から始まるIP電話となり、利用状況によっては通話の品質が悪くなったり、フリーダイヤルや110や119のような緊急通報には繋がらない、停電時には使用できない等といったデメリットがありますが、通話料金が通常の電話回線料金より安く抑えらるメリットがあります。
因みにイオンモバイルでも音声通話契約をせず、データ通信プラン+月1500円でIP電話かけ放題(国内に限ります)プランが用意されていますが、こちらも一か月あたりの通話時間によっては楽天モバイルの050データSIMのほうが安く抑えられるケースもありますので、ご自身のライフスタイルにあったプランをぜひ見付けて下さい。
シェアプランはどちらがお得?
両社共に用意されているシェアプラン。ご家族にスマホユーザーが既にいたり、お子さんにそろそろ持たせようか考えいていたりするご家庭も多いかと思います。どうせ利用するなら、まとめて安く済ませられるに越したことはないですよね。
という事で、ここではシェアプランについて比較してみます。
楽天モバイル
楽天モバイルにシェアプラン専用料金というものは現在存在しておらず、上記の表にあるプランのいずれかを契約している人を「オーナー」とし、シェアを希望している楽天モバイルユーザーを「メンバー」として自分のグループへ招待する形式となっています。
因みにこのプランを利用するには専用ページからの招待・招待された側の認証作業が必要であるのと、月額100円が発生しますが、招待・認証作業自体は簡単なものですし、家族に限らず楽天モバイルユーザーであれば友人や恋人同士でもシェア可能となっていますので、家族内にシェアできる人がいなくても利用できたりするメリットがあります。
ただ注意が必要な点もあり、
・このシェアプランは前月に繰り越した(余った)高速通信容量をメンバー間でシェアする為、使い方によっては毎月一定容量をシェアできるわけではない
・シェアが開始できるのは招待・認証が完了した翌月から
検討する上でこれらも覚えておいてくと良いかもしれません。
イオンモバイル
シェア音声4GBプラン | シェア音声6GBプラン | シェア音声8GBプラン | シェア音声12GBプラン |
1780円 | 2280円 | 2980円 | 3580円 |
シェア音声20GBプラン | シェア音声30GBプラン | シェア音声40GBプラン | シェア音声50GBプラン |
4980円 | 6380円 | 8280円 | 11100円 |
イオンモバイルには上記のようなシェアプラン専用料金が用意されています。
しかしこのプランを利用するにあたって、楽天モバイルとは色々と違う点がありますので、簡潔にまとめてみました。
・シェアするSIMの契約名義は全て統一する必要がある
・2枚目以降のSIMカードの発行料が一枚につき3000円必要(3枚目以降は月額200円 が別途発生)
・2枚目以降のSIMはデータ通信のみだと月額0円(3枚目以降は月額200円)で利用(シェア)できるが、それに通話機能・SMS機能を追加する場合は月額700円(通話機能)・140円(SMS機能)が別途発生する
・新規の場合、シェアプラン申し込み完了日からシェアできる(既にイオンモバイルを利用していて中途変更の場合は翌月からになります)
まとめ
これらを踏まえて比較すると、楽天モバイルに比べてイオンモバイルの方がSIMの契約名義を統一する必要があったり、と手軽さで言えば楽天モバイルかな、といった印象です。
ただ料金でいうとイオンモバイルと違い楽天モバイルは、シェアする高速通信容量が前月繰越分であることや、シェアする人数や相手、通話機能やSMS機能の必要性、インターネットの利用状況などでかなり変わってきますので、こちらもご自身やご家族に合ったプランを選択して頂くことをオススメします。
管理ツールはどっちが便利?
高速データ通信容量を細かく選べ、その分月々の料金も抑えられるといったメリットが大きい格安SIMですが、いつも以上に使ってしまって低速データ通信に切り替わるんじゃないかと心配になったり、いざ低速通信になって追加チャージをしたり、大手キャリアに比べて店舗数が少ない為、何か困ったことが起きた際には重要な役割を果たしてくれたり…と何かと利用することの多い管理ツール。
ここでは管理ツールの比較をしていきます。
楽天モバイル
SIMアプリ(Android・iOS対応)でできること
・楽天会員ランク・楽天スーパーポイントの確認
・高速データ通信容量の使用状況の確認
・高速データ通信のオン/オフ切り替え
・過去三カ月分の支払い状況の確認
・高速データ通信容量の内訳確認(データシェア・繰越容量の確認も可能)
・データ容量の追加購入
・通話/SMS利用明細の確認
・各種オプション申し込み
・登録情報の確認/変更
・契約内容の確認
イオンモバイル
マイページでできること
・高速データ通信容量の使用状況の確認
・高速データ通信のオン/オフ切り替え
・データ容量の追加購入
・通話利用明細の確認
・登録情報の確認
まとめ
楽天モバイルは専用アプリが存在しており、上記の通り使用していて必要となってくるほとんどの事がアプリ一つで済ませられるようになっています。
それに対してイオンモバイルは高速データ通信のオン/オフ切り替えアプリと音声通話用アプリがあるものの、総合的な機能をもつアプリが現時点ではありません。その為他の機能が必要な場合はスマートフォンやPCでマイページへアクセスすることとなります。
そのマイページですが、登録情報の確認はできるものの、メールアドレス・パスワード以外の変更はできない、プラン変更はできない等、楽天モバイルアプリと比較するとできる事が少なくなっています。それらはイオンモバイルお客様センターに連絡することによって変更可能となっていますが、仕事や学校でなかなか時間が作れない・人と話すことなくサッと済ませたい、というような人には少し不便かもしれませんね。
契約・解約、サポート面はどっちが便利?
契約について
両社ともインターネットからの申し込みが可能となっており、申し込み完了後、本人確認書類(運転免許証など)の提出をし、手続き完了後にSIMカード(端末も併せて購入した場合は端末も)郵送されて来ることとなります。
届いたSIM・端末のセットアップはご自身でやることとなりますが、両社とも電話・チャットでのサポートを受けられますので、自分でできるのか不安な方でも安心です。
また、お住まいの地区によっては店舗数に違いがあるかもしれませんが、両社とも店頭での申し込みも可能となっておりますので、お好きなほうを選択できます。
解約について
楽天モバイル
楽天モバイルの解約手続きですが、音声通話SIMの場合は電話のみの受付、データSIMの場合は楽天モバイルの会員サポートページからの申し込みとなっています。解約するにあたって、原則として音声通話SIMの解約の場合は契約から12カ月以内だと9800円の解約解除手数料が発生します。(データSIMの場合は不要です)
また、解約した後はSIMカードを楽天モバイルへ返却(送料自己負担にて郵送)が必要となりますので忘れないようにしてください。
イオンモバイル
イオンモバイルの解約手続きは、一部の店舗及びイオンモバイルお客さまセンターにて申し込み可能ですが、毎月最終日は解約申し込み不可となっていますので、そこは注意が必要です。
また、契約から何カ月であろうと解約解除手数料・違約金といったものは発生しないので、初めて格安SIMにするけどちょっと不安だなといった方も安心ではないでしょうか。
オプション・サポートについて
両社共に様々なオプションが用意されていますが、ここでは端末がトラブルに見舞われた際に役立つオプションについて比較していきます。
楽天モバイル
・端末補償 月500円
・あんしんリモートサービス 月500円
※端末補償・あんしんリモートサービスの両方をつける場合は月800円とお得になります
・つながる端末保証by楽天モバイル 月500円
・データ復旧サービス 月300円
・マカフィー®モバイルセキュリティ Android版 月300円
※データ復旧サービス・マカフィー®モバイルセキュリティ Android版の両方をつける場合は月500円とお得になります
イオンモバイル
・イオンスマホ安心保証 月350円(端末によっては月450円)
・イオンスマホ電話サポート 月300円
・イオンスマホセキュリティ 月150円
※上記3つをつける場合は月600円(端末によっては700円)とお得になります
・イオンモバイル持ちこみ保証 月550円(Android)/月650円(iPhone)
内容としてはデータ復旧サービスの有無に違いがあり、その他はほぼ同じ内容で若干こちらもイオンモバイルの方がお安くなっています。両社ともに他社キャリアからの端末でも保証対象にしてもらえるのは嬉しいですね。
通信速度はどちらが良いの?
格安SIMの利用を検討した時に、通信速度や音声通話が繋がるエリアは大丈夫なの?と心配になる方もおられるかと思います。筆者も最初は大手キャリアに比べてこんなに安いならあんまり繋がらないんじゃ…と心配していました(笑)
ここでは通信速度について比較してみます。
楽天モバイル
ベーシックプラン | 200Kbps |
その他プラン | 下り最大262.5Mbps |
イオンモバイル
音声通話全プラン | 下り最大375Mbps上り最大50Mbps |
データSIM/SMS付データSIM | 下り最大375Mbps上り最大50Mbps |
まとめ
楽天モバイルのベーシックプランでは高速データ通信が使えないので最大通信速度200Kbpsとなっており、その他プラン(音声通話対応・データ専用共通)はデータ通信容量に関わらず一律となっています。また、スーパーホーダイプランだと毎月の高速通信容量を使い切っても1Mbpsの通信速度が使い放題(12時~13時、18時~19時は300Kbps)になります。
一方イオンモバイルの音声プランでは高速データ通信以外のプランが用意されていないものの(管理ツールはどっちが便利?でも記載した通り、ご自身で高速データ通信オン/オフの切り替えは可能です)データSIM・SMS付データSIMでは初月データ通信容量の日割りあり/低速時(200kbps)通信制限あり(3日間366MB)と日割りなし/低速時通信制限なし、の二つから選択することができるようになっています。
因みに両社とも通話に関してはドコモ回線を利用しているため、安定した通話が可能となっています。
あくまで筆者の個人的なものですが、通信速度は両社共に動画再生やアプリ等の大容量ダウンロード以外は特に困ることなく使用でき、通話面では大手キャリアが繋がる場所であれば問題なく使用できるといった感想です。
まとめ
若干ではありますが、料金メインで比較した場合イオンモバイルが優勢なものの、シェアする前提で使う場合や通話頻度が高い、IP電話で十分といった場合だと楽天モバイルの方がお手軽且つ、お得になるケースもあるといった結果となりました。
これはあくまで筆者の体験談ですが、以前楽天モバイル利用中に端末を落としてしまい、ディスプレイが大破するといった事態に見舞われたことがありました。端末補償オプションはつけていたものの、修理・交換どちらにしても自宅近くにショップがない為にすべて郵送になるとのことで、代替機を自分で用意できなかった筆者は端末が戻って来るまで仕事に支障が出てしまう!と結局楽天モバイルの端末補償を使って格安で修理してもらうこともなく、近所のイオンへ駆け込み、そのまま端末購入含めイオンモバイルに乗り換えました。イオンモバイルはオプションをつけていればいざという時に代替機を貸してもらえるという、格安SIMとしては珍しいサービスも受けられるので、個人的には安心です。
料金に大差はないので、メリット・デメリット、使用パターンやケース、お住まいの地区などを考慮してご自身にあったものを是非見付けてくださいね。