格安SIMで有名なY!mobileとIIjmio。どちらもMVNOに分類されますが、
業務形態等にも少し違いがあります。ここではサービスの仕組みや
内容を比較して、今の環境でならばどちらのサービスが自分に
適しているのか、参考にして頂ければと思います。
もくじ
各業者概要と料金プランの比較
まずY!mobileですが、実はというと他のMVNO(移動体仮想通信事業者のこと)
とは少し差があります。それはソフトバンクのグループ企業だということ。ソフトバンクが営業しているのと殆ど同じですから、本社と関連するサービスが多く、そこがセールスポイントになっています。IIJmioはというと、意外と知らない人も多く、地味なサービスではあるかも知れません。しかしサービスは充実しており、適材適所のサービスを選択しやすくなっています。
以下が各サービスの料金表(データ、通話基本機能すべて込み)です。
IIJmioD(docomo回線)プラン | ||||||
データ容量 | 3GB | 6GB | 10GB | |||
基本料金 | 1,600円 | 2,220円 | 3,260円 | |||
電話かけ放題 | 600円 | 830円 | 600円 | 830円 | 600円 | 830円 |
2,200円 | 2,430円 | 2,820円 | 3,050円 | 3,860円 | 4,090円 |
IIJmioA(au回線)プラン | ||||||
データ容量 | 3GB | 6GB | 10GB | |||
基本料金 | 1,600円 | 2,220円 | 3,260円 | |||
電話かけ放題 | 600円 | 830円 | 600円 | 830円 | 600円 | 830円 |
2,200円 | 2,430円 | 2,820円 | 3,050円 | 3,860円 | 4,090円 |
Y!mobileプラン(ワンキュッパ割、データ容量2倍なしの場合) | |||
データ容量 | 1GB | 3GB | 7GB |
基本料金 | 2,980円 | 2,220円 | 3,260円 |
電話かけ放題 | 0円 | 0円 | 0円 |
2,980円 | 3,980円 | 5,980円 |
Y!mobileプラン(ワンキュッパ割、データ容量2倍ありの場合) | ||||
データ容量 | 2GB | 6GB | 14GB | |
基本料金 | 1,980円 | 2,980円 | 4,980円 | ※1年限定 |
電話かけ放題 | 0円 | 0円 | 0円 | |
1,980円 | 2,980円 | 4,980円 |
※全て税抜
※IIJmioのプラン名称は3GB(ミニマムスタートプラン)、6GB(ライトスタートプラン)、
10GB(ファミリーシェアプラン)
※Y!mobileのプラン名称は1GB(スマホプランS)、3GB(スマホプランM)、
7GB(スマホプランL)
※IIJmioのかけ放題は600円コース、830円コースの2種類あり、Y!Mobileはサービスに込み
※ワンキュッパ割りは2016年8月よりスタート、1年限定
IIJmioはauとdocomo回線に対応しています。AとDに分かれており、
3GB(ミニマムスタートプラン)、6GB(ライトスタートプラン)、10GB(ファミリーシェアプラン)の中から基本コースを選択します。通常のデータ量でいい人はベーシックなミニマム、動画やアプリ等のコンテンツを多く使用する人はライトスタート、
容量を更に多く使えて、家族間でのデータ容量共有ができるファミリーシェアを契約するといったところでしょうか。
Y!mobileではどうでしょうか?前述のとおり、Y!mobileはソフトバンクの
グループ会社なので、回線はsoftbankのものを使用します。
Y!mobileはワンキュッパ割りというのがあり、これにより各データプラン契約時の料金が
1,000円程割り引かれます。
コースは1GB(スマホプランS)、3GB(スマホプランM)、7GB(スマホプランL)
となっていますが、現在は「データ容量2倍キャンペーン」というものを実施しており、2GB、6GB、14GBの容量を料金据え置きで使用する事が出来ます。
ここまでで見てみると、Y!mobileに契約すると安くスマートフォンが使えそうなのですが、
実は少し落とし穴があります。まずデータ2倍やワンキュッパ割りはあくまでキャンペーンとして行われているということで、つまりサービスとしての安定性がないのです。いつ終了するかわからない不安もあり、特にワンキュッパ割りは1年限定なので、料金が2年目にはスマホプランSの場合2980円、つまり1000円高くなってしまう点がデメリットです。このようにY!mobileは制約が多く条件も入り組んでいて、私は料金に対してややこしい印象を持っています。
基本プランで比較!
表の中で最安値のIIJmio:ミニマムスタートプラン(3GB/1600円)とY!mobile:スマホプランS(2GB/1980円)を比べてみようと思います。
Y!mobileでは、スマートフォンとして使う料金だけでなく、Yahooサービスが通常よりお得に使えたり、通話し放題等他の特典も込みで、お得に感じます。
IIJmioは、基本サービスのみですが、600/830円でかけ放題を追加しても2200/2430円、
他の格安SIM業者と比較してもリーズナブルだと思うし、料金プランがシンプルで選択しやすいので、格安SIM初心者の人や、初めてスマートフォンを使う人にも分かりやすく、
その点では、Y!mobileより契約する時に迷わないかな、と思っています。
又、スマートフォンの対応状況についても差があり、Y!mobileは前述の通りsoftbankのものを使用しています。なので技術は最新なのですが、自分で予め端末だけ用意して格安SIM業者のSIMを指す時、Y!mobileだとau、docomo回線の2つから選択できるので、au,docomoから発売されたスマートフォンはSIMロック解除なしで使用できます。しかしY!mobileだと、:au,docomo だけでなく、softbank発売のスマートフォンもSIMロック解除しないと使用できないので、ロック解除しないでMVNOに契約したい人には手間がかかります。Y!mobileだと、デメリットもあるということは考慮しておくべきでしょう。
総合的に見て、複数のプランがありながらもカテゴリー毎にサービスをまとめてくれて、料金は固定で把握しやすく、回線も2つ使用できるIIJmioに点を挙げたいと思います。
通信速度や容量管理はどっちが良いか?
IIJmio | Y!mobile | |
プラン | 3GB | 2GB(2倍キャンペーン) |
通信速度 | 下り(受信時)最大75Mbps/上り(送信時)最大25Mbps | |
専用アプリによる 速度設定 | ○ 任意で変更できる | × 変更アプリなし |
データ繰り越し | ○ | なし |
パケット追加 | ○ | ○ |
通信速度は表の通り、上り/下りとも業者で差はなく、また公式ウェブでもはっきり記載されていないので、実際に使用する環境等で左右されるといえそうです。
私が使用した感じでは、Y!mobileはsoftbankが少しずつ回線を増やしているためか、
あまり速度で不満はなかったし、IIJmioもあまり派手な使い方をしていなかったかもしれませんが、十分使用できました。この点は、契約して使用した時に確かめた方が良さそうです。
データ容量管理はどうでしょうか。実際に使ってみると、明らかにデータ容量出し入れができないY!mobileに対し、「みおポン」で容量出し入れが自由のIIJmioが個人個人にあった通信容量の使い道ができて、便利だといえそうです。しかもIIJmioはバースト機能というものがあり、速度制限がかかっていても、データ通信を開始する最初の間だけ速度を高速にアップさせることができます。これがあれば、容量を使い切ったとしても、軽いアプリやウェブ検索ならば、遅延を気にせず使う事が出来ます。
サービスアプリについて
前の文章で述べたように、IIJmioにはデータ容量を節約し管理する専用のアプリ「みおポン」と、お得に通話できる「みおフォンダイヤル」の2つのアプリがあります。
「みおポン」は「クーポン」という単位でデータ容量を項目上に表示し、後何GB制限なしで使う事が出来るかすぐに把握できます。そしてこのアプリの便利なところは、スイッチの「ON」、「OFF」を切り替えられること。「OFF」にしている間は、データ容量を消費しないので、動画を見る時は「ON」、ウェブなどを使うときは「OFF」と、適材適所でデータ速度を使い分けられます。私もこれを愛用して、データ容量を節約しています。
そして「みおフォンダイヤル」は、これ経由で電話すると、通話代が半額になります。「あまり通話しない」という人は、このアプリで通話代を節約できます。画面もシンプルで、アドレス帳登録も簡単なので、すぐ使えます。
対してY!mobileは、softbankと同じように独自のメール「Y!mobileメール」をアプリベースで提供しています。このメールの利点は、「このアプリで使える@yahoo.ne.jpおよび@ymobile.ne.jpのメールアドレスは、携帯から発信されたものとして認識されることです。この点は、フリーメールを別途使用するしかないIIJmioと比べてメールの初期設定が簡単で、安全にメールを送信できるというメリットがあります。しかしY!mobile メールには「みおポン」や「みおフォンダイヤル」にあたるアプリがなく、データ容量や通話料が分かりにくいデメリットもあります。
メールを通常の携帯電話のメールサービスのように送りたい人はY!mobileを、それが気にならず、データ容量を効率よく節約したい人はIIJmioを選択すればよいかもしれません。
故障サービス等で見てみる
気になるその他のサービスですが、まずIIJmioでは「つながる端末保障」というサービスがあります。これに契約すると、自分で用意したSIMフリースマホが故障したりしても、各種サービスが受けられて良いです。月額500円に加え、キャンペーンなどで安くなっていることがあるので、要チェックのサービスと言えるでしょう。その他にもスマートフォンの基本的な使い方を電話でレクチャーしてくれるサービスなどもあります。
対してY!mobileは、「ケータイ基本パック」等、IIJmioに比べて多種多様にサービスがあり、自分に合ったサービスを契約できる点が良いです。ただIIJmioより少し割高な感じがするので、よく見て自分の必要なサービスだけを選んだ方が得策だと思います。
実際に使用してみた感じ、それと各種キャンペーンでお得にはじめよう!
文中で両サービスを使用して確かめたことは書きましたが、実際に使ってみると、どちらにも良い点があり、自分に適したサービスを選んだ方がよいでしょう。SIM設定などのサービスもどちらも丁寧で、比較してもいい意味であまり変わりはないと思います。
具体的には、「シンプルにスマートフォンを契約して、集約された各種アプリやサービスを受けたい人はIIJmio、「少しプランが複雑だけど、使い方によってはかなりお得に使える可能性があるな」と思う人はY!mobileと契約すればよいでしょう。おうち割光セット(A)や家族割を一緒に契約すると、月額1480円になる場合もあり、Yahooショッピングなどをよく使う人は、更にポイントがプレミアム会員なら5倍たまったり、かなりお得になります。又、各サービスとも様々なキャンペーンが行われており、こまめに公式ウェブをチェックするとお得情報が手に入るので、これを機にサービスに興味を持たれた人は、是非ご自分でも調べて、快適な格安SIMデータサービス生活を満喫して下さい。